劇作家女子会。とお茶会をしよう! ③ 初日のはなし/劇作家はシングルマザー?

劇作家女子会。のクラウドファンディングの特典として、支援者の方をお招きしてひらいた女子会。のお茶会。
今回はそのお茶会レポート、全6回の第3弾をお届けします。

今回は、劇作家にとっての公演初日の気持ちと、「作家はシングルマザー」的な、作品の産みの苦しみなどについて語りました。

2017年6月13日@都内某所
『人間の条件』クラウドファンディング 特典


劇作家女子会。とお茶会をしよう! その③

ゲスト:池田 健司 氏(クラウドファンディング 特典ご購入者 の方)
劇作家女子会。:坂本鈴、黒川陽子、モスクワカヌ

―4初日のはなし。劇作家はシングルマザー。

池田さん
初日とかってどういう気持ちなんですか?
黒川
今回は共作なので、1人1人が自分の初日を迎える時とは多分気持ちが違うと思うんですけれど。
池田さん
黒川さん、初日にお隣の席に座ってたんです。
黒川
え、そうなんですか?
池田
それでどんな気持ちだろうと思って。
黒川
私は、初日は観客目線で物語をみたいなという気持ちと、あと…今回ミュージカルだったので 、音がどう聞こえるんだろうかというのをすごく気にしながら見てましたね。でも、自分1人で書いた作品の初日の…、なんかずっと刺されてる、みたいな気持ちは今回なくて。
全員
(笑)
池田さん
そこはむしろ楽だったですか? いてもたってもみたいのはなくて。
黒川
それはなかったですね。
ワカヌ
私もわりと、幕が開く前にドキドキする気持ちはあったんですけれど、分1人の時よりは落ち着いてました。やっとお披露目できる、みたいな。
坂本
なんか、劇作家はいつも1人で産み出す…シングルマザーじゃない?
ワカヌ
あはは。
坂本
でも今回はさ、誰の遺伝子かわかんない、みたいなさ…。
全員
(笑)
ワカヌ
確かに!
坂本
皆で生み落として、さらにそれをたくさんの人と育てた、みたいな…。
黒川
地域で育てた子みたい(笑)
坂本
そう。だから「よく大きくなった」みたいな。ハッピーでしたよ。
ワカヌ
例えが秀逸(笑)
黒川
今回、4人それぞれ担当の場面があったんですけれど、担当の場面にしても誰かが書き直していたりとかがありますので、完全に自分が書いたみたいのがあんまりないですよね。
ワカヌ
途中まではみんな各々の領分を守ってましたけどね、後半になるにつれて…だんだん不法侵入が始まった(笑)
坂本
勝手に書き直されるとかないからね、普段は! お互い作家同士だからか、全然なおしてくる。「聞いてない」みたいなことがけっこうある、という状態でした。
黒川
そうそう。
ワカヌ
私も、曲一曲まるまる書き直されてたりしたのを、しれっと元の歌詞に直したりしてた(笑)
坂本
こんなことなかなかないからね…よかった。よかったのか?(笑)
ワカヌ
でもそれを経ても女子会。は解散も空中分解もせず。
池田さん
それすごいですよね。
坂本
すごい喧嘩もしたけどね。「ナメてんのか」みたいな。
ワカヌ
おもに私と鈴さんがね(笑)



みんなで育てたミュージカル『人間の条件』。
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劇作家女子会。とお茶会をしよう! ② 劇作と演出のはなし/『人間の条件』のご感想

劇作家女子会。のクラウドファンディングの特典として、支援者の方をお招きしてひらいた女子会。のお茶会。
今回はそのお茶会レポート、全6回の第2弾をお届けします。

劇作家女子会。にとって、戯曲を書くことと演出することの違いとは?
そして支援者となった池田氏の『人間の条件』を観劇しての感想は

2017年6月13日@都内某所
『人間の条件』クラウドファンディング 特典

劇作家女子会。とお茶会をしよう! その②

ゲスト:池田 健司 氏(クラウドファンディング 特典ご購入者 の方)
劇作家女子会。:坂本鈴、黒川陽子、モスクワカヌ

―2劇作と演出のはなし。

池田さん
女子会。は、皆さん作家も演出もされるんですか?
坂本
そんなことはないです。私は自分の劇団で作も演出もやりましたけれど。
ワカヌ
私も1~2回演出したことがあるんですけれど、今は劇作だけです。
黒川
私も、演出は自分の短篇を1回やったぐらいですね。
池田さん
そうなんですか。
坂本
劇団だるめしあんではずっと演出してたんですけれど、ここ1年くらいは別のかたにお願いしてます。今は他の人と組んでみたいなーという時期です。
池田さん
作品を書くのと、演出をするのって、どういう感覚の違いがあるんですか?
坂本
なんていうか、自分の劇団のことになるんですけれど、新作はギリギリまで書いちゃってるから、稽古場に行っても台本が半分しかなかったりして。そんな状態で演出をするのが、すごいキツイんですよ。

(全員笑う)

坂本
本当に!ダメだしとかもしにくいし。私も稽古場好きだけど、稽古場いくよりは書いてなきゃいけない、みたいなところあるし。
自分が演出をすることでいいことはたくさんあるんだけれど、やっぱり書くのと演出では脳みその使う場所が違うから、なかなか切り替えられない、ということもあったりするんだよね。
作家の脳みそって、すごく答えを…「テーマはなんですか」って聞かれても明確に答えられないんですよ。答えられないからこうして物語を書いている、というところがあって。でも演出はすごく言語化して、シーンの意味や解釈を俳優の方々に伝えなくちゃいけない。自分の中でもやもやしているものを台詞にしていく作業と、台詞の説明を人にしていく作業が全然違うんだよね。
ワカヌ
ほんとに使う脳みそが違うよね。
坂本
演出は、脚本を疑わなきゃいけない、というところがあると思う。舞台の設計図の脚本に、足らない柱がないか、あるとしたらどんな演出でその柱を足すか、考えながら俳優と付き合わなくちゃいけないんだけど。作家の脳みそだとさ、「これ今私超頑張って書いてるんだから文句言わないでよ」みたいな気分になる。
黒川
うん(笑)
ワカヌ
アハハ。
坂本
だから別の大工さんに、客観的に設計図を見てもらうのはいいと思う。自分が演出になって「どの柱が足らないかわからないけど一緒に作ろう!」ってやるのももちろん好きなんだけど、今は大工さんに入ってもらうのがいいかな、と思ってマス。色んな大工さんがいるなーと。
池田さん
自分とあわない大工さんもいるんですか?
坂本
いると思いますよ。趣味があわないとかは。「この柱絶対いるよ!」「いらねーよ!」みたいな。
黒川
「この壁紙ダッセェよ!」みたいな。
坂本
「うるせえ、かっこいいよ!」みたいなのはお互いあるよね(笑)
池田さん
そういう時は言い合いになるんですか?
坂本
なるべく言い合いにして、言い合ってよかったね、まで持っていけるのが理想だし、そうします!
ワカヌ
そのほうがハッピーではあるよね。

―3池田さんの『人間の条件』の感想のおはなし。

坂本
この間の『人間の条件』はどうでした?
池田さん
難しかったです。2回見たんですけど…
坂本
ありがとうございます!
黒川
ありがとうございます。
ワカヌ
ありがとうございます!
池田さん
2回目でなんとなく、「ああ」と。2回見ないと難しかった。結局「宇宙人」ってなんだったんだろう、と思いましたよね。たとえば「外国人」と置き換えてもよいのかもしれないんですけれど。
ワカヌ
作中では、「宇宙人」がどういったものかはあえて確定させなかったんですね。 わりと「宇宙人」って出しっぱなしにしようという意図で書いてました。
坂本
そうですね。「宇宙人」ってなんなの、ってほうに話がいきすぎるとSFになっちゃうな、というのがあって。それは自分たちの意図とは違うなというのは最初から話してましたね。なるべく人間と同じで、色んなものに例えられるのが重要だという話をしていました。
池田さん
最後のほうなんか、誰が「宇宙人」なのかわからなくなってきましたよね。
坂本
誰が「宇宙人」なのかはわかりません!
池田さん
自分が人間だと思えば人間になる?
坂本
自分が人間なのかどうかも怪しいし、相手が人間なのかどうかも怪しいし、そもそも「人間」とは。「人間の条件」とはなんだろうか。
池田さん
そうなりますね。タイトルも意味深というか、難しいなって思いました。
ワカヌ
最初はずっと(仮)がついてたんですね。「人間の条件」ってもともと、ハンナ・アーレントさんという哲学者の方の、著作のタイトルなんです。だからとりあえず「人間の条件」は仮のタイトルにして、後からちゃんとしたタイトルをつけよう、というつもりだったんですが、全然タイトルが決まらず…。
坂本
稽古も始まったし、もう「人間の条件」でいいんじゃね?となった。
池田さん
他につけようがないと思います(笑)
坂本
池田さんは、劇作家女子会。の第二回公演だった「劇作家女子会R!」も見に来てくださっていたというのでお聞きしたいんですけれど、女子会。って2回目まではわりとキャッキャッしてたじゃないですか。
池田さん
フライヤーとか面白かったですよね(笑)
ワカヌ
振袖きてましたものね。
坂本
そんなキャッキャッしたところから、いきなりミュージカル「人間の条件」って、どうでしたか? 「どうしたの?」って感じじゃないかって私達も話していたんですけれど。
池田さん
そうですね…。ミュージカルって、最初はもっと台詞メインかと思ってたんですけれど、けっこうガチでミュージカルでしたよね?
坂本
ええ。そうなりましたね。そこは音楽家の後藤浩明さんがとても頑張ってくださったというか。脚本の構想の段階から打ち合わせに参加してくださって。音楽劇じゃなくて、ちゃんとしたミュージカルを創ろう、ということは言ってくれていました。
黒川
最初はもっと会話が続く場面があったんですけれど、演出の赤澤ムックさんも「この場面は歌で始まり歌で終わりましょう」的な、ミュージカルとしての骨格を整えてくださいました。
坂本
みんな台詞書きだからね。どんどんセリフが長くなって。
黒川
歌で歌ったことを台詞で繰り返しちゃったりとか(笑)なんのために歌ったんだ、と。
ワカヌ
大ナタをふるってもらった(笑)
黒川
ね。1幕の途中で2時間半くらいありそうな台本だったし(笑)これ全部あわせたら4時間?みたいな。
坂本
上演できないってなって(笑)
池田さん
4時間はキツイですよね…。
坂本
劇場の退館時間もあるので物理的に無理ってなって、
黒川
オノマリコが鬼のカットを。
坂本
そう。オノマリコが鬼のカットをする。我々が「やめて!」って抗議をする、みたいな(笑)
池田さん
じゃあ半分くらいになってるんですか?
黒川
最終的には半分以下になりましたね。
池田さん
必要なシーンもなくなったりしたんですか?
坂本
うーん。なるべくそんなことはないようにしたんですけれど、あのシーン入れたかったな、というのはあります。ノーカット版の台本を作れば?みたいなことも言われたんですけれど。
黒川
でも、はたしてどの段階がノーカット版なのかって問題はあるよね?
坂本
確かに。もうわからない(笑)
ワカヌ
書き直すたびに、データを第1稿、第2稿みたいに更新していくんですけれど、私達たぶん30稿以上書いている…。
坂本
30稿できくかどうか。
ワカヌ
それくらいで数えるのをやめてる(笑)
黒川
最終場だけで20稿以上かいてるもんね。
坂本
そう。最終場はやっぱり皆の「こういう演劇が面白いんじゃないか」っていうのがそれぞれ違うということもあって。全員が「私が書く!」って言って、皆1回は書いた(笑)
黒川
そうでした。
坂本
でも最後はなんかできた
池田さん
それはよかった(笑)
ワカヌ
ざっくりまとめた(笑)
坂本
よかったよかった。



左側奥:モスクワカヌ
左側手前:黒川陽子
右側奥:坂本鈴
右側手前:池田健司氏

―次回更新は7月29日頃を予定しています。


劇作家女子会。とお茶会をしよう! ① 『人間の条件』クラウドファンディングのはなし。

劇作家女子会。の第3回公演『人間の条件』では、クラウドファンディングを通じて多くの支援者様に応援&参加をしていただきました。
ご支援額に応じたリターンのなかに、「劇作家女子会。のお茶会へご招待」という特典をご用意したところ、特典をご購入いただく支援者様が登場

公演終了後、都内某所にてご購入者の池田さんをお招きしてのお茶会をひらいてまいりました。

そのお茶会の様子を、「劇作家女子会。とお茶会をしよう!」のタイトルで、当ブログにて全6回の連載記事にして更新していきたいと思います。

女子会。がクラウドファンディング実施に至った経緯や支援者様の思い、公演の感想や劇作家が初日にどんな気持ちでいるかなどなど、普段なかなかじっくりやり取りする機会のない、公演の主宰者と支援者の方のお茶会の記録を、ぜひお楽しみくださいませ

2017年6月13日@都内某所
『人間の条件』クラウドファンディング 特典

劇作家女子会。とお茶会をしよう!

ゲスト:池田 健司 氏(クラウドファンディング 特典ご購入者 の方)
劇作家女子会。:坂本鈴、黒川陽子、モスクワカヌ


―1『人間の条件』クラウドファンディングのはなし。
坂本
本日は、『人間の条件』クラウドファンディング 特典のお茶会にご参加頂いて、ありがとうございます!
池田健司氏   
(以下池田さん):どうぞよろしくお願いいたします。
坂本
今日は女子会なので、初対面の女子3人に囲まれるのは緊張するかもしれませんが…大丈夫です! 私達、怖くないので!
池田さん
あ、はい。大丈夫です(笑)あの、皆さんはどうしてクラウドファンディングをされようと思ったのですか?
モスクワカヌ(以下ワカヌ)
はい。ミュージカル『人間の条件』を上演するにあたって、音楽家の後藤さんからも「この作品は生バンドのほうが勝算がある」というアドバイスを頂いたんです。でもその時点で、生バンドを雇う予算はない…。
坂本
だね。
ワカヌ
それで、もともと関心はあったので、これを機にクラウドファンディングをしよう!ということになって。
池田さん
バンドを入れるのはけっこう大変なんですか?
ワカヌ
そうですね。一人の演奏家の方を何日拘束できるか、という話になるので…。
黒川
人件費がすごいことになる。
ワカヌ
『人間の条件』では舞台正面に4名の生バンドがいて、演者と絡んだり。
坂本
すごくいい感じでしたね。
池田さん
劇場の場所を決めるのは、なにか基準があるんですか?
坂本
今回の『人間の条件』は、劇作家協会プログラムの審査に通ったので、座・高円寺1 での上演になりましたね。
2016年に花まる学習会王子小劇場 で公演した 「劇作家女子会R!」の上演前に審査に通って次が決まった感じで…。嘘だろ、みたいな(笑)
黒川
前回公演が終わった時、『人間の条件』の上演まで残り10か月だったんですよね。
坂本
そう。それで4人の共作でミュージカルやろうって…。大変だった!
黒川
大変だったね。
モスクワカヌ
うん。思っていたよりずっとずっと大変だった(笑) 今回共作だったので、4人で1つの作品を書いたんですけれど、それを決めた時はね、もっときゃーきゃらしたノリでね。
坂本
そう、面白そう! やってみよう!
ワカヌ
と、いうノリで始まったんですけれど、始めて見たら…。
坂本
地獄のようだった。
池田さん
途中で投げ出そうとは思わなかったんですか?
坂本
投げ出そうとはね、思いませんでした、よ!
池田さん
それは素晴らしいですね。
ワカヌ
そうですね。投げ出そうとは思わなかった。何度もキーッ!とはなったけれど。
坂本
そう。終わる気がしない、ということはあったけれど、やめようとはならなかったです。



左側奥:モスクワカヌ
左側手前:黒川陽子
右側奥:坂本鈴
右側手前:池田健司氏

―次回更新は7月26日頃を予定しています。
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Profile

劇作家女子会。

Author:劇作家女子会。
「死後に戯曲が残る劇作家」を目指す劇作家女子4人組。

メンバーは
坂本鈴(35歳)
オノマリコ(33歳)
黒川陽子(33歳)
モスクワカヌ(32歳)

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